外国人雇用の知識

外国人雇用の注意点は?メリットデメリットについて詳しく解説!


「外国人を雇いたいけど、正直不安…」
「メリットは聞くけど、デメリットも知りたい」
「何に気をつければいいの?」

そんな疑問を持っている経営者や人事担当者の方、多いんじゃないでしょうか。

実は、外国人雇用を検討している企業は年々増えています。厚生労働省の調査によると、外国人労働者数は過去最高を更新し続けているんです。

でも同時に、「思っていたのと違った」「トラブルが起きた」という声も少なくありません。

今回は、外国人雇用のリアルな現場から見えてくるメリット・デメリット、そして絶対に押さえておきたい注意点を徹底解説します!

これから外国人雇用を考えている方も、すでに雇用していて悩んでいる方も、ぜひ最後まで読んでみてください。

外国人雇用の現状:なぜ今注目されているのか

日本で働く外国人労働者は増加傾向が続いています。特にコンビニや飲食店、建設現場、介護施設など、私たちの身近なところで外国人が活躍する姿を見かけることが増えましたよね。

人手不足が深刻化

日本の労働人口は減る一方です。特に以下の業界では、もはや外国人材なしでは回らない状況になっているところも

飲食業 - 厨房スタッフ、ホールスタッフ
建設業 - 現場作業員、技能工
製造業 - 工場の製造ラインスタッフ
介護業 - 介護職員
宿泊業 - ホテル・旅館のスタッフ
農業・漁業 - 収穫作業、加工作業

「日本人が来ない」という現実に直面している企業が、外国人雇用に踏み切るケースが増えているんです。

グローバル化の波

さらに、ビジネスのグローバル化も進んでいます。海外展開を考えている企業、インバウンド対応が必要な企業にとって、外国人材は貴重な戦力になります。

でも、「とりあえず人手が欲しいから」という理由だけで安易に雇用すると、後で痛い目を見ることも…。メリットとデメリットをしっかり理解して、準備を整えることが大切です。

外国人雇用の5大メリット


まずは、外国人を雇用することで得られるメリットから見ていきましょう!

メリット1: 人手不足の解消

これが一番と言えるでしょう。特に地方や、若い日本人がなかなか集まらない業界では、外国人材は本当に貴重な戦力です。

具体例

飲食店で日本人の応募がゼロだったのに、外国人向けに募集をかけたら10人以上の応募があった
介護施設で慢性的な人手不足が外国人職員の採用で改善した
工場の夜勤シフトが組めなかったのが、外国人スタッフのおかげで回るようになった

真面目に働いてくれる外国人は多く、「日本人より真面目」という声も現場からよく聞かれます。

メリット2: 若くて意欲的な人材が集まる

外国人材の多くは20代〜30代前半。わざわざ異国の地で働こうという人たちですから、向上心が高く、チャレンジ精神旺盛な方が多いんです。

よく聞く声

「日本で技術を学びたい」という強い意欲
「将来は母国で起業したい」という明確な目標
「家族のために頑張りたい」という責任感

こういった前向きな姿勢は、周囲の日本人社員にも良い影響を与えることが多いです。「外国人が頑張っているのに、自分も負けていられない」と、職場全体の雰囲気が変わったという企業も少なくありません。

メリット3: 多様な視点とアイデアが生まれる

意外と見落とされがちですが、実はすごく大きなメリットなんです!

違う文化背景を持つ人が入ることで

「なぜこのやり方なんですか?」という素朴な疑問から、業務改善のヒントが見つかる
母国での経験を活かした新しい提案が出てくる
固定観念にとらわれない発想が生まれる

実例

あるレストランでは、ベトナム人スタッフの提案で本場のフォーをメニューに加えたところ大ヒット。今では看板メニューになっているそうです。

また、日本人だけでは気づかなかった「外国人目線でのわかりにくさ」を指摘してもらえることで、商品やサービスの改善につながることもあります。

メリット4: 海外展開の橋渡し役になる

海外進出を考えている企業、あるいはすでに海外拠点がある企業にとって、外国人材は最強の橋渡し役です。

活用例

現地の商習慣や文化について教えてもらえる
取引先との交渉で通訳・翻訳を担当してもらえる
現地スタッフのマネジメントを任せられる
現地法人の立ち上げメンバーとして活躍してもらえる

「日本で技術を学んで、将来は母国の拠点で働きたい」という外国人材も多く、win-winの関係を築けます。

メリット5: 企業のグローバル化・ダイバーシティ推進

外国人を雇用することで、企業文化そのものが変わっていきます。

多様性を受け入れる組織風土ができる
日本人社員の国際感覚が磨かれる
グローバル企業としてのブランドイメージ向上
優秀な外国人材からも選ばれる会社になる

実際、「ダイバーシティに力を入れている」ということ自体が、採用ブランディングとして機能する時代になっています。若い世代の日本人からも「色々な国の人がいる職場で働きたい」という声が増えているんです。

外国人雇用の5大デメリット

さて、ここからが本題。メリットだけ見て飛び込むと痛い目を見ます。デメリットもしっかり理解しておきましょう!

デメリット1: コミュニケーションの壁

これが最も大きな課題です。日本語が完璧な外国人ばかりではありません。

よくある問題

指示が正しく伝わらない
「わかりました」と言っているけど実は理解していない
敬語や丁寧語の使い方が不自然で、お客さんから指摘される
日本語の微妙なニュアンスが伝わらない
方言がわからず困る

特に接客業では、お客様とのコミュニケーションが直接サービス品質に関わるので、この問題は深刻です。

対策は必須

簡単な日本語(やさしい日本語)で話す訓練
視覚的なマニュアルの整備
重要なことは文書で残す
理解度を確認する習慣づけ

コミュニケーションコストは、予想以上にかかると思っておいた方がいいでしょう。

デメリット2: 採用・手続きのコストと手間

外国人雇用は、日本人を雇うよりも圧倒的に手間がかかります。

必要な手続き

在留資格の確認・申請(場合によっては数ヶ月かかる)
ハローワークへの外国人雇用状況届出
住居の確保サポート
銀行口座開設のサポート
生活オリエンテーション

費用面でも

人材紹介会社を使う場合の紹介料(年収の30〜35%程度)
行政書士への在留資格申請依頼料(10〜30万円程度)
住居の敷金・礼金の立替え
来日費用のサポート
日本語研修の費用

「思ったより金がかかる」というのは、外国人雇用あるあるです。特に初めての場合は、専門家のサポートを受けることが多く、その分コストもかさみます。

デメリット3: 文化・価値観の違いによる摩擦

これ、本当に要注意です。「当たり前」が通じないんです。

よくあるギャップ

時間の感覚

「5分前行動」という概念がない国も多い
遅刻への罪悪感が薄い場合がある
「だいたい」や「後で」の感覚が違う

仕事への姿勢

残業を断るのは当然という文化
定時になったらすぐ帰るのが普通
「察する」文化がなく、明確な指示が必要
上司の指示でも納得できないと動かない

コミュニケーションスタイル

イエス・ノーをはっきり言う(日本人には「キツい」と感じられる)
反対に、断るのが苦手で無理を引き受けてしまう
自己主張が強い(または逆に主張しない)

宗教・食事

イスラム教徒のお祈りの時間が必要
豚肉やアルコールを口にしない
ベジタリアン、ヴィーガン
ラマダン(断食月)への配慮

こういった違いを理解せずに「日本のやり方に合わせろ」と押し付けると、すぐに辞められてしまいます。

デメリット4: 定着率の低さ

これは多くの企業が直面する問題です。せっかく採用して教育しても、1〜2年で辞めてしまうケースが少なくありません。

離職の主な理由

給料への不満 - 「日本に来れば稼げると思っていたのに」
キャリアアップの見込みがない - 何年働いても同じ仕事、同じ給料
孤独感・疎外感 - 職場に馴染めない、友達ができない
仕事内容のミスマッチ - 聞いていた仕事と違う
他社からの引き抜き - より良い条件を提示されて転職
母国の事情 - 家族の病気、親の介護など

特に、外国人材は横のつながりが強く、「あっちの会社の方が給料が良い」「〇〇さんの会社は寮が新しい」といった情報がすぐに広まります。

SNSで母国語のコミュニティがあり、転職情報も共有されているんです。

定着率を上げるには

適切な評価と昇給の仕組み
キャリアパスの明示
外国人同士のコミュニティ作り
生活面の継続的なサポート
母国との往来支援(一時帰国の費用補助など)

これらの対策をしないと、「採用しては辞めて、また採用して…」の繰り返しになってしまいます。

デメリット5: 社内の反発・日本人社員との軋轢

意外と見落とされがちですが、これも大きな問題です。

既存社員から出る不満

「外国人ばかり優遇されている」
「日本人を採用してくれないの?」
「コミュニケーションが取りにくくて仕事がやりにくい」
「文化の違いを理解するのが大変」
「教育係になって負担が増えた」

特に、外国人材に寮を提供したり、生活支援をしたりすると、「日本人にはそんなサポートないのに」という不満が出やすいです。

世代間の温度差も

若い世代は比較的受け入れやすい
ベテラン社員の中には抵抗感を持つ人も
「日本語も満足に話せないのに同じ給料なのか」という不満

こういった社内の軋轢を放置すると、日本人社員が辞めてしまうという本末転倒な事態にもなりかねません。

絶対に押さえたい!外国人雇用の10の注意点

メリット・デメリットを踏まえて、ここからは実務的な注意点を見ていきましょう。

注意点1: 在留資格の確認は100%必須!

これだけは絶対に手を抜いてはいけません。
不法就労させてしまうと

企業側も「不法就労助長罪」で3年以下の懲役または300万円以下の罰金
建設業なら営業停止処分
企業の社会的信用失墜
労働者本人は強制送還

「知らなかった」では済まされません。

必ずチェック

在留カードの表面(氏名、在留資格、在留期限)
在留カードの裏面(就労制限の有無)
在留カードが本物かどうか(偽造カードも出回っている)

確認方法

入管庁のウェブサイトで在留カード番号照会
カードの透かし、ホログラムの確認
顔写真と本人の照合

留学生を雇う場合は、「資格外活動許可」があるかも必ず確認。週28時間以内という制限も守りましょう。

注意点2: 労働条件は日本人と同じが原則

「外国人だから」という理由で差別的な扱いをすると、労働基準法違反になります。

絶対NG

最低賃金以下での雇用
「研修期間」の名目で最低賃金以下で働かせる
国籍を理由に昇給・昇格で差をつける
社会保険に加入させない

同一労働同一賃金

同じ仕事をしているなら、日本人と同じ給料を払うのが原則です。「日本語が完璧じゃないから」という理由で減額するのは、合理的な理由がない限り認められません。

注意点3: 雇用契約書は多言語で用意

トラブルを防ぐために、本人が理解できる言語での雇用契約書を用意しましょう。

最低限盛り込む内容

業務内容
勤務場所
勤務時間・休日
給料(手取りではなく総支給額を明記)
残業の有無と残業代の計算方法
社会保険・雇用保険
契約期間

日本語だけの契約書にサインさせて、「聞いていた話と違う」とトラブルになるケースは本当に多いんです。

注意点4: ハローワークへの届出を忘れずに

外国人を雇用したら、ハローワークへの届出が義務です。これは雇用保険の加入有無に関わらず、すべての外国人労働者が対象です。

届出のタイミング

雇用した時
離職した時

届出を怠ると30万円以下の罰金

「小さい会社だからバレない」と思っていても、何かのきっかけで発覚することがあります。罰金だけでなく、行政指導の対象にもなるので、必ず届け出ましょう。

注意点5: 在留期限の管理を徹底

在留期限が切れてしまうと、不法滞在になります。雇用側も責任を問われる可能性が。

管理のコツ

全員の在留期限をカレンダーに登録
3ヶ月前からアラート
更新に必要な書類を早めに準備
本人任せにせず、会社としてサポート

更新申請には会社の協力が必要なことが多いです(在職証明書、源泉徴収票など)。直前になって慌てないよう、計画的に進めましょう。

注意点6: 社会保険は必ず加入させる

「短期間だから」「本人が希望しないから」という理由で社会保険に加入させないのは違法です。

加入が必要な保険

健康保険
厚生年金保険
雇用保険
労災保険

「年金は掛け捨てになるから入りたくない」という外国人もいますが、加入は義務です。ただし、年金については脱退一時金の制度があることを説明してあげると良いでしょう。

注意点7: 「単純労働」はできない在留資格がある

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格では、単純労働は認められていません。

NG例

レストランの皿洗いだけ
工場のライン作業だけ
倉庫での仕分け作業だけ
小売店のレジ打ちだけ

OK例

通訳業務を兼ねた接客
商品企画を含む販売業務
海外取引を含む営業活動

「実際にやらせている業務」と「在留資格で認められている業務」が合っているか、定期的にチェックしましょう。

注意点8: 日本語能力を過信しない

面接で日本語が上手に話せていても、仕事で必要なレベルに達しているとは限りません。

よくある勘違い

日常会話ができる ≠ ビジネス日本語ができる
読める ≠ 書ける
話せる ≠ 聞き取れる

特に電話対応、敬語、ビジネスメールは難易度が高いです。「できる」と言っていても、実際にはできないことも多いので、段階的に任せていきましょう。

注意点9: 文化・宗教への配慮は必須

無理に日本式を押し付けると、すぐに辞められてしまいます。

配慮が必要な例

イスラム教徒のお祈りの時間(1日5回、各5〜10分程度)
ラマダン中の食事(日中の断食)
豚肉・アルコールを口にしない
宗教上の祝日
服装規定(ヒジャブなど)

「郷に入っては郷に従え」という日本の考え方は、グローバルスタンダードではありません。お互いに歩み寄る姿勢が大切です。

注意点10: 想定外のコストを見積もっておく

表面的な人件費だけでなく、見えないコストがたくさんあります。

予想外にかかる費用

通訳費用(役所手続き、病院同行など)
多言語マニュアル作成費用
日本語研修費用
住居関連費用(敷金礼金、家具家電など)
トラブル対応費用(行政書士、弁護士など)
採用関連費用(帰国後の再募集など)

これらを含めると、実質的なコストは給料の1.5〜2倍になることも。予算はしっかり確保しておきましょう。

成功する外国人雇用のための5つのポイント

デメリットや注意点を並べましたが、しっかり準備すれば外国人雇用は成功します!

ポイント1: 受け入れ体制を整えてから採用

「とりあえず採用してから考える」はNG。事前準備が成功の鍵です。

準備すること

多言語マニュアルの作成
メンター制度の導入
社内研修(ダイバーシティ、やさしい日本語など)
トラブル対応フローの整備
サポート担当者の配置

ポイント2: 適切な評価制度とキャリアパス

「頑張っても給料が上がらない」「将来が見えない」では定着しません。

明確な評価基準
定期的な昇給
キャリアアップの道筋
資格取得支援
日本語能力向上の評価

ポイント3: コミュニティ作りを支援

孤独感は離職の大きな原因です。

外国人同士の交流会
日本人社員との懇親会
地域のコミュニティ紹介
SNSグループの活用
母国の祝日のお祝い

ポイント4: 継続的なコミュニケーション

定期的な面談で、小さな不満を大きくしない。

月1回の1on1面談
困っていることの早期発見
キャリアの希望確認
家族の状況把握
在留期限の確認

ポイント5: 日本人社員の理解を得る

外国人だけでなく、日本人社員へのケアも重要。

外国人雇用の目的を説明
ダイバーシティ研修
不満や不安の吸い上げ
メンターへのサポート
公平な評価制度

よくあるQ&A

Q1: 日本語能力はどのくらい必要?

A: 職種によります。

接客業: N3以上(日常会話が問題なくできるレベル)
事務職: N2以上(ビジネス文書が読み書きできるレベル)
技術職: N3〜N4でも可(専門用語は後から覚えられる)
工場作業: N4以上(基本的な指示が理解できるレベル)

ただし、日本語能力試験の級を持っていても、実際の会話力やビジネス日本語力は別です。面接でしっかり確認しましょう。

Q2: 給料はどのくらいが相場?

A: 日本人と同じが原則です。

最低賃金は絶対に下回ってはいけません。「外国人だから安く雇える」という考えは捨てましょう。

むしろ、優秀な外国人材を確保したいなら、競合他社より良い条件を提示する必要があります。外国人コミュニティで情報は共有されているので、極端に安い給料では誰も来ません。

Q3: 辞めたいと言われたらどうする?

A: まず理由をしっかり聞きましょう。

給料の問題なら、昇給を検討
仕事内容の不満なら、配置転換を検討
人間関係の問題なら、環境改善を検討
母国の事情なら、一時帰国の支援

改善できることは対応して、それでも辞めると言うなら円満退職を。無理に引き留めても、後でトラブルになるだけです。

Q4: トラブルが起きたらどこに相談?

A: 相談先はいくつかあります。

外国人雇用サービスセンター(ハローワーク) - 雇用全般

出入国在留管理局 - 在留資格関連
労働基準監督署 - 労働条件関連
行政書士 - 手続き関連
弁護士 - 法的トラブル

困ったら一人で抱え込まず、早めに専門家に相談しましょう。

まとめ:外国人雇用は対策が肝心


長々と書いてきましたが、結論はシンプルです。

外国人雇用のメリット

✓ 人手不足の解消
✓ 若くて意欲的な人材
✓ 企業のグローバル化
外国人雇用のデメリット:
✗ コミュニケーションの壁
✗ 採用・手続きの手間とコスト
✗ 文化・価値観の違い

デメリットは確かにありますが、しっかり準備して、継続的にサポートすれば、メリットの方が大きいと断言できます。

実際、外国人雇用に成功している企業の多くが「最初は大変だったけど、今では欠かせない存在」と言っています。

成功のカギは

在留資格など法的要件の厳守
受け入れ体制の事前準備
日本人と同等の労働条件
文化の違いへの理解と尊重
継続的なサポートとコミュニケーション

「とりあえず人手が欲しいから」という安易な気持ちではなく、「会社を一緒に成長させるパートナー」として迎え入れる覚悟が必要です。

外国人雇用は、単なる「人手不足対策」ではありません。企業が多様性を受け入れ、グローバルに成長していくための大きなステップなんです。

この記事が、あなたの会社の外国人雇用の第一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。

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